嫌われる勇気の誤解(8月定例講座)

8月の定例講座のテーマは『嫌われる勇気の誤解』でした。

岸見一郎氏と古賀史健氏共著のベストセラー「嫌われる勇気」、この本について、著者の一人である岸見一郎氏自身も「あなたは『嫌われる勇気』を誤解している-「嫌われてもいい」ではない」というタイトルの文章(https://president.jp/articles/-/22920)を掲載しておられます。タイトルが印象的な分、「アドラー心理学では他人に嫌われても自分の信じるように行動することを勧めている」と受け取る人が多い、ということだと思います。

「嫌われる勇気」では哲人と青年の対話が描かれます。青年は自分に自信を持てず、上司の機嫌をとりながら仕事しています。両親に認めてほしくて期待に応えようと努力するけれど、いつも優秀な3歳違いの兄と比べられ、認めてもらえない。そんな青年だからこそ、哲人は「課題の分離」と「個人の主体性」を強調して、アドラー心理学を説明しているそうです。

どんな読者を対象とするかで、本の書き方、説明の仕方も変わってくるのでしょう。また、同じ本を読んでも読者によって受け止め方は様々です。

「嫌われる勇気」に、青年の就職先を青年の両親が快く思わなかったことを取り上げる場面があります。哲人は、両親の意向は両親の課題であるから青年は『自分の信じる最善の道を選ぶこと』しかできないのだ、と説きます。

私としては、自分が親になった今、子どもへの不安や期待は親の課題だから、私がなんとかしましょう、と思うけれど、自分の親が今も子や孫の健康を気遣い家族仲良く暮らせと言うことに対して「あなたの心配はあなたの課題だから」とはならなくて、ありがたく心配してもらっています。

このことも「嫌われる勇気」の青年と私の文脈の違いの結果だと思います。

講座では、アドラー心理学のゴールには共同体感覚思想があり、課題の分離はそこに至る入口であることを確認し、アドラー心理学の全体像やアドラー心理学の実践へと話がふくらんでいきました。

本で知識を学んだだけでは、アドラー心理学の技術を使えるようにはきっとなれないのでしょう。

講座やフォローアップに参加して学ぶと、「知識」だけではない何かが自分の中にやってくる気がします。それは時には「得心」だったり「感動」だったり「喜び」だったり様々ですが、共に学ぶ仲間や教えてくれる人とのやりとりの中で生まれるもののようで、アドラー心理学の技術習得に欠かせないものみたい。勇気づけられるって、このことかな、と思うのです

テレビやタブレットだけ見せても赤ちゃんはことばを話せるようにならないが、周囲の人々が絶えず話しかけていると言語を獲得できるのと似ているな、と思いました。

(byなべ)

くすのきの会

東京都武蔵野市吉祥寺・世田谷区を中心に、アドラー心理学にもとづく育児の勉強会を開催しています。育児学習コース「パセージ」開催の他にも、東京吉祥寺周辺でパセージ修了者向けに月に1~2度のグループ学習会、パセージ未受講でもご参加いただける講座や輪読会、育児ミニ講座なども企画開催しています。 お気軽にお問い合わせください。 くすのきの会は『アドラー銀杏の会』の姉妹グループです。

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